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 “チューリップの香り” 

チューリップ

学名    Tulipa Spp. 

原産地   地中海東部の沿岸地域から中央アジアにかけて

       150種以上の原種が分布。  

入手方法 10月下旬〜4月下旬

                                                               

春の花の代表格、チューリップは主に富山県や新潟県、埼玉県で盛んに作られています。近年の切花品種は花色、花形の充実が著しく、用途に合わせて幅広く選べるベリエーションが魅力です。

またチューリップには香りを持つものがあります。大田花きでは、市場流通品種の約2割に見られる香りの良いチューリップに着目し、チューリップの香りを調査、分類しました。香りの特徴や活用法を知り、チューリップを新しい角度から楽しんでみてはいかがでしょうか。

      

チューリップの芳香調査にあたり、富山県農林水産部をはじめ、チューリップの育種・試験栽培に取り組む富山県農林水産総合技術センター園芸研究所と、富山県を代表するチューリップ産地より生産者の方々に多大なご協力をいただきました。

 

チューリップの香りとは?
       

◆ジューシーで甘いほのかな香りが特徴。

◆香りの良いチューリップの割合は、切花流通品種 全体の約2割ほど。

◆特にユリ咲き八重咲き品種に、香りの良い品種が見られる傾向。

◆暖かいほど香り立ちが良くなり、7〜8分咲き位の咲き具合がベスト。(固切り出荷で若すぎる花芽は香らない)

  

                       つぼみが色付いて開き、7〜8分  開きすぎると香りが拡散するため

                       咲き位が最も香りが強い。      香りは弱まる。

チューリップの香り 〜4タイプの香り〜

 

大田花きでは市場流通品種(切花145品種)を調査し、品種によって異なる4つのタイプに分類しました。

(2009年3月、セリ機、インターネット受発注システムに表記)

 

 

代表品種

 

香りのタイプ

 

 

香りの特徴 (官能評価に基く評価)

「バレリーナ」

「モンテカルロ」

 

 

 

 

  L

チューリップ

チューリップ(L)の香り

一般的なチューリップに見られる、チューリップ特有の香り。主としてフローラル調(花香調)のほのかな香りが特徴。

グリーン調の香り、フローラル調の香り、フルーティーな香り、ワックス(蝋)に似た香りなど複数の特徴をあわせ持つ。品種により、これらの香りの組成比が変わるため、香りの感じ方が異なることもあるが、多くのチューリップに見られる香りと言える。

          

 グリーンの香り   バラ様の  フルーツ様の  蝋の香りに

             フローラルな   香り      似たワキシー

                香り                な香り

左記の品種からは、「β-イオノン」、「ジヒドロβ-イオノン」、「リモネン」などのフローラルな香りと、「α-ターピネオール」、「ユーカリプトール」などグリーン調の爽やかな香りが見られました。

「バルバドス」

「ベロナ」

      

 

     

 

J

ジューシー

 

 

ジューシー(J)の香り

スイカやリンゴにナイフを入れたときに感じる

みずみずしい芳香と似ており、フレッシュ感のあるグリーン調の香りも同時に感じられる。

 

                

            スイカなどの   グリーンの香り

            みずみずしい

             果物の香り

 

「クミンズ」

「フィノーラ」

      

       

 

F

フルーティ

 

フルーティ(F)の香り

パイナップルやマンゴーなど、甘酸っぱいフルーツの香りを思わせる芳香が特徴。

ワインの香りのように、果物が熟した香りがする品種も見られる。

    

       パイナップルやマンゴーなど    ワインに似た

      トロピカルフルーツを思わせる   フルーティでコク

           甘酸っぱい香り         のある香り

「バラードゴールド」

「バラードホワイト」

      

     

  

S

スパイシー

 

 

スパイシー(S)の香り


胡椒やシナモンなどのスパイスに似た香り。

スパイシー(ペッパリー)な香りの中に、蜂蜜様の甘さを持つ品種も見られる。

           

          胡椒やシナモンなど   ハチミツの香り

          スパイスを思わせる

           スパイシーな香り

 

機器分析では、左記の品種から「カリオフィレン」、「α-ファルネセン」に由来する、ウッディな香りも検出されました。

スミレの香りを持つチューリップ「バレリーナ」

他の切花品種には見られない、特徴的な香りを持つユリ咲きのチューリップ「バレリーナ」。

つくば花き研究所の協力で花香分析を行ったところ、ニオイスミレなどに代表される

「β-イオノン」、「ジヒドロβ-イオノン」などイオノン系の格調高い香り成分が多量に検出されました。

「バレリーナ」は特に芳香チューリップにふさわしい香りの強さと質を兼ね備えた品種であることがうかがえます。

イオノン系の香りを持つ代表的な芳香花「ニオイスミレ」(Viola odorata

主に南フランスで香料用に栽培され、香料業界では「バイオレット」と呼ばれています。

ヨーロッパでは古くから愛されていた花で、ギリシャやローマではこの花を入れたワインを飲み、

香料から香水や化粧水などを作り、その香りを楽しんだようです。

現在この香りは、エスティローダー社の香水「ホワイトリネン」などに取り入れられ、

高級感のあるフローラルノートには欠かせません。

 

チューリップの切花(154品種)の香りタイプ割合

芳香性の高いチューリップは全体の約2割。

「ジューシーな香り(表記:J)」を持つタイプと、「一般的なチューリップの香り(表記:L)」

を持つタイプが多く、「フルーティな香り(F)」や「スパイシーな香り(S)」はごく限られた品種にのみ

見られることが分かりました。

 
 
 
 
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